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![]() ESLで "クッキング" の風景です。 |
![]() "Show&Tell" Time ESL風景 今週は"T"のアルファベットです。 |
| 21世紀の年頭にあたり、日本幼年教育会の皆さまに新年のご挨拶を申しあげます。IT革命が進展して世界中の国の距離がとても近くなりました。私もインターネットのおかげで日本幼年教育会の30周年記念行事である京都市の研修会に昨年参加することができ、大変感銘を受けております。21世紀はよりグローバルな社会に発展していく中で、日本の子ども達も世界の子ども達とインターネットを使って自由に交信できる時代になってきました。したがって文部省の2002年度より小学校3年生から英語教科を導入していくという方針は国際化に向けて大切な一歩を踏みだしたと思います。 私どもは、ニューヨークにて1990年度より日本人子弟のため英語教育を始めました。1996年からは、日米バイリンガル幼稚園として本格的に幼児向け英語カリキュラムを実践してまいりました。表出言語があふれでる3歳ごろに、第二外国語である英語を早期導入してどういうメリットがあるのだろうか。むしろ、英語を導入することによって、日本語の発達を遅らせるのではないかという危惧もありますが、バイリンガル教育の意義を明確にしながら、アメリカで実際にどのような幼児英語教育が行なわれているのかお話しをしてみたいと思います。 日本から渡米する駐在員家族は通常、出発前に行なわれるオリエンテーションに参加して、幼児期にはまず母国語の確立をさせることが大切であるといわれていますが、自我が育つ前にアメリカの幼稚園に入れてしまえばアメリカ人のように英語が自然に話せるようになるであろうという安易な考えからアメリカに来てすぐ現地の幼稚園に入れるケースが最近増えてきています。しかしながら子どもの成長の過程を無視して現地校に入れた結果 、一年くらい経つと「どうも子どもの日本語の発育が遅いようなのですが」といって、私どもの幼稚園を訪ねてくるケースが多々あります。こういうお子さまは、面 接してみると、3歳から4歳児でも1歳半くらいの表出言語で(日本語が遅れている分、英語が表出してくればよいのですが、ほとんどの場合英語も出てこない)、行動面 では、先生の指示語が理解できないため、ふらふら動き回ることが日常化してしまっています。現地校では仲間はずれで一人遊びをしていますので、友達と遊びの関わり方もわからず、奇声を発したり、友達を押したりして、問題児と見られがちです。女の子の方が比較的黙々と隣の子どものやっていることを見よう見真似でついていきますので問題が表面 化しないで過ごしているようです。 ここで注意すべきことは、英語を第一言語として教えるときと、第二言語として教えるときとはアプローチが違うということだと思います。生まれて6ヶ月までの赤ちゃんはどんな言語音でも同じように興味を示して反応しますが、1歳から8歳くらいまでには、頻度の高い音の言語認識の頭脳ニューロンシナプス配線ができあがって、母国語が確立するといわれております。したがって、幼児期にアメリカの幼稚園に子どもを入れて1日5時間余り英語環境に置くということは、第一言語を置き換えていくことになります。但し日本の子どもの場合は母体にいるときから、日本語を聞いて育ってきて、言語認知頭脳ニューロンシナプスの配線が日本語の音声に合わせてしかれているところへ、全く違う英語の音が入ってくるため、大混乱が起きて日本語も英語もでなくなってしまう状況ができてしまいます。これは2歳から3歳保育で英語環境に入れたときに顕著にでてきます。4歳以降の場合は、すでに日本語の表出言語がかなりでてきていますので、6ヶ月もすれば、日本語、英語の認識力と差別 化が育ってきますが、逆に先生の言っていることがわからないことと、自分の言いたいことが言えないフラストレーションが耐えられなくなり、登園拒否をおこします。アメリカの幼稚園はPreschoolと呼ばれ、私立経営で2歳半から4歳児保育が行なわれています。5歳児から公立小学校付属のKindergartenにはいります。この時期日本人子弟は、日本語・英語の認識力が育つといえ、やはり日常の語彙が日本語から英語へ置き換わっていきますので、俗にいうJanglish(日本語と英語のごちゃまぜ)が始まってきます。ほかに現地校へ入れて見過ごされることとして、ADD、ADHDの早期介入が難しいことが指摘されます。本来介入が必要な子どもも英語がわからないのだと無視されてしまいます。 さて、それでは幼児期に英語を入れない方が好ましいのかというと、そうではありません。先ほど述べた、脳のニューロンシナプスの数は生まれて10歳までにピークに達して成人の数の倍以上が活動しています。頻繁に使われるニューロンが残って、使われないニューロンは退化して行きます。従って正しい方法で英語を導入すれば、英語の音声を認識する脳のニューロンシナプスは活性化します。例えば、伝統的にお母さんが優しく唄う子守り歌とか、子どもの心が休まる心地の良い音声を聞かせると、脳のドーパミンホルモン(doparmine)が放出され、脳のニューロンが活性化しますので、英語の音声を聞く時も、子ども達が聞いて楽しい、心地よい心理的状況を作ることです。逆に現地校で相手にされず、不安、恐怖の毎日を過ごしていれば、コーチゾルホルモン(cortisol)が放出され、ニューロンの細胞を殺してしまいます。極端な例ですが、帰国子女でアメリカの大学院を卒業された女性が私共の幼稚園のアシスタントに入った時、彼女がぽつっと言った言葉があります。「私は実は小学校一年生の記憶が全くブロックされて何も思い出せないのです」アメリカで過ごした小学校一年生がどんなにつらいものだったかは想像に絶するものです。 話は前後してしまいましたが、子ども達が楽しく、頭と身体を使って遊べるバイリンガルのカリキュラムであれば子ども達は英語の音声をどんどん吸収していきます。グリニッジ国際学園とあすなろ国際学園では、全く日本語のわからないアメリカ人の先生、日本語がよくできるアメリカ人の先生、英語がよくできる日本人の先生に分けて、英語指導に入って子ども達の進度を観察してみました。その結果 、3歳児までの場合は日本人の先生の指導による英語クラスが一番効果が上がっています。4歳、5歳児は、初めはアメリカ人の先生に日本人の先生がアシスタントに入りましたが、3ケ月もすると日本人の先生の援助がなくても子ども達は聞くことができるようになってきます。通 常英語による保育の長さは1回30分です。授業の運び方は、サークルタイムのように半円形に子ども達が座り、その日のカレンダー出欠の確認、英語の歌、リズム遊びやゲームをします。人気のある“Show and Tell”タイムでは、毎週学習しているアルファベットに合わせて、各家庭から靴箱に子ども達の好きなものを入れて持ってこさせ、みんなの前で見せながら、英語で発表をします。動物のぬ いぐるみなどを好んで持ってくるものですが、自由あそびの時間でも積み木とぬ いぐるみで動物園を作ったりして英会話の延長が聞こえることもあって、子ども達の創意工夫、興味の度合いがみられます。季節と行事に合わせた絵本、日本語でも訳されて人気のある絵本などを英語の本読みの時間も別 途設けてあります。英語と同時に、日本語でも意味を説明します。日本の行事と交互してアメリカの楽しい行事、例えばイースターのエッグ製作、ハロウイン衣裳行列、感謝祭には七面 鳥とパンプキンパイのクッキングなど、体験を通して学ぶ英語は子どもにとって一番記憶に残るもののようです。 結論としては、日本語を媒介として、英語を入れている場合は、子ども達の言語発育の混乱もなく限りなく英語の音声を吸収していく姿が見られます。子ども達は連想して、次から次に英語で何をいうのか聞いてきます。私達の懸念は果 たして、これだけ覚えた英語を帰国してからどの程度維持していけるのかということです。そのためには、フォニックスを使って5才児ぐらいまでに絵本の音読ができるようになるまで指導ができれば、日本に帰って絵本を通 して英語を維持しやすいようです。 日本では小学校から英会話を導入すると言ってますが、英会話として会話だけ取りあげることは不自然であります。むしろアメリカの文化行事を異文化体験として導入すれば、日本の子ども達が将来国際理解を深めるための種をまくことになり、十分意義のあることだと思います。 |